旅する教会

旅する教会

再洗礼派と宗教改革

永本哲也、猪刈由紀、早川朝子、山本大丙[編]
本体価格:2,800円

サイズ:四六判 302ページ
ISBN:978-4-400-22725-0 C1022 発行年月:2017/01/25

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内容紹介

もう1つの改革運動に光をあて、
信仰と教会の本質を問う

再洗礼派(アナバプティスト)は幼児洗礼を否定し、信仰洗礼のみを主張したことによって宗教改革主流派から徹底的に弾圧され、安住の地を求めて世界を旅する教会となった。
しかし彼らの信仰理解と社会実践は貴重な遺産を残している。
宗教改革500年の年、もう一つの重要な改革運動の全容を明らかにした、気鋭の研究者たちによる共同執筆。

【目次より】
 プロローグ
第1部 再洗礼派の誕生と受難
 1 偽りの教えを説く悪魔
 2 ルターから逸脱する改革者たち
 3 ツヴィングリの先を行く
 4 1528年の聖霊降臨祭に世界は終末を迎える
 5 財産のいっさいを共同体に供出する
 6 地上に降り立った新しきエルサレム
 7 信仰の徹底を目指して
 8 忌避と破門をめぐる戦い
 9 自覚的信仰と予定
第2部 再洗礼派の諸相
 1 「使徒的生活」を目指す改革者たち
 2 メディアのなかの再洗礼派
 3 緩やかに根づくネットワーク
 4 イタリアのラディカルたち
 5 信仰者のバプテスマのみを認める
 6 『アウスブント』
 7 『殉教者の鑑』
第3部 近代化する社会を生きる再洗礼派
 1 「宗派化」の時代を生き抜く宗教的少数派
 2 「忌避」に同意しない者は破門する
 3 近世から近代を生き抜くメノー派
 4 フッター派の500年
 5 真の信仰は決して強制され得ない
 6 自由な社会の市民として生きる
 7 伝統の保持、「世界」への適応
 8 世界に広がる再洗礼派
 9 戦後に生まれた再洗礼派教会
 エピローグ
 再洗礼派関連略年表

【執筆者】(50音順)
猪刈由紀(いかり・ゆき)
1971年生まれ。京都大学修士課程、ボン大学博士課程修了(Ph.D)。上智大学、東洋大学ほか非常勤講師。主要業績:Wallfahrtswesen in Köln vom Spätmittelalter bis zur Aufklärung (Köln 2009). 「18世紀ケルン市参事会の政策に見る世俗化と宗派性の変容――巡礼援助と対プロテスタント政策を事例として」(『西洋史学』 245、2012年)。「ハレ・フランケ財団(シュティフトゥンゲン)における救貧と教育――社会との距離・神との距離・積極性」(『キリスト教史学』 70、2016年)。

鈴木喜晴(すずき・よしはる)
1973年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。早稲田大学本庄高等学院非常勤講師。主要業績:「ジョン・ベーコンソープのカルメル会史擁護――修道会の「正統性」と「継承」理念」(『史観』第160冊、2009年)。「14世紀修道会史叙述における「隠修」の問題――カルメル会とアウグスティヌス隠修士会を中心に」(『エクフラシス――ヨーロッパ文化史研究』第1号、2011年)。「14世紀カルメル会士の預言的伝統と修道制――ヒルデスハイムのヨハネス『擁護者と誹謗者の対話』より」(甚野尚志・益田朋幸編『ヨーロッパ文化の再生と革新』知泉書館、2016年)。

高津秀之(たかつ・ひでゆき)
1974年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。東京経済大学経済学部准教授。主要業績:"Die Neuorganisation des Militärwesens in der Stadt Köln 1583: Über-legungen zum Einfluss auf das politische Verhältnis zwischen Rat und Gemeinde," in: Jahrbuch des Kölnischen Geschichtsvereins?76  (2005).「手術台の上のルターと宗教改革者たち――ヨハネス・ナースの対抗宗教改革プロパガンダ」(『エクフラシス――ヨーロッパ文化研究』第3号、2013年3月)。「カトリックを棄てた大司教――ゲプハルト・トルフゼスの改宗とケルン戦争」(甚野尚志・踊共二編『中近世ヨーロッパの宗教と政治――キリスト教世界の統一性と多元性』ミネルヴァ書房、2014年)。

高津美和(たかつ・みわ)
1975年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学文学学術院非常勤講師。主要業績:「フランチェスコ・ブルラマッキの陰謀――16世紀ルッカの政治と宗教」(『エクフラシス』第5号、2015年)。「16世紀ルッカにおけるアオニオ・パレアリオの教育活動――近世イタリアの宗教的「共生」をめぐる一考察」(森原隆編『ヨーロッパ・「共生」の政治文化史』成文堂、2013年)。

津田真奈美(つだ・まなみ)
1984年まれ。東北学院大学大学院ヨーロッパ文化史専攻博士後期課程単位取得退学。東北学院大学ヨーロッパ文化総合研究所客員研究員。主要業績:「トマス・ヘルウィスのA Declaration of Faithにおける聖書引用について」(『東北学院大学 ヨーロッパ文化研究』12、2011年)。「バプテスト黎明期の聖礼典理解――ジョン・スマイスとトマス・ヘルウィスの「分裂」をめぐって」(『キリスト教史学』70、2016年)。

栂香央里(とが・かおり)
1980年生まれ。日本女子大学文学部史学科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学)。日本女子大学文学部史学科学術研究員、兼任講師。主要業績:「16世紀南ドイツにおけるフッガー家のオヤコ関係――モントフォルト伯家との関係を中心として」(『比較家族史研究』29、2015年)。「宗教改革期アウクスブルクにおけるフッガー家――宗派対立・寛容のはざまで」(森田安一編『ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶』教文館、2009年)。

永本哲也(ながもと・てつや)
1974年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。東海大学、獨協大学、川村学園女子大学非常勤講師。主要業績:「宗教改革期ミュンスターの社会運動 (1525―35年) と都市共同体――運動の社会構造分析を中心に」(『西洋史研究』新輯第37号、2008年)。「ミュンスター宗教改革運動における市参事会の教会政策――1525―34年市内外諸勢力との交渉分析を通じて」(『歴史学研究』876、2011年2月号)。「帝国諸侯による「不在」の強制と再洗礼派による抵抗――1534―35年ミュンスター包囲戦における言論闘争と支援のネットワーク形成」(『歴史学研究』947、2016年8月号)。

早川朝子(はやかわ・あさこ)
1966年生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国際基督教大学アジア文化研究所研究員、東都医療大学非常勤講師。主要業績:「アウクスブルクにおける再洗礼派の秘密集会――租税台帳を手がかりに」(高澤紀恵、吉田伸之、フランソワ=ジョゼフ・ルッジウ、ギョーム・カレ編『別冊都市史研究 伝統都市を比較する 飯田とシャルルヴィル』山川出版社、2011年)。ベアトリス・M・ボダルト=ベイリー『犬将軍』(翻訳)(柏書房、2015年)。

山本大丙(やまもと・たいへい)
1969年生まれ。2002年早稲田大学大学院博士課程退学。早稲田大学文学研究科非常勤講師。主要業績:「商人と母なる貿易――17世紀初期のアムステルダム商人」(『史観』第152冊、2005年)。「近世オランダ共和国のメノー派商人」(『創文』第514号、2008年)。「バルタザール・ベッカーと悪魔──17世紀オランダにおける信仰と『脱魔術化』」(『西洋史論叢』第30号、2008年)。
(以上50音順)
 

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