この病は死に至らず
三人の命を奪うという残虐な罪を犯した青年と出会い、交流を始め、やがて養子縁組して養母となり、処刑の日まで、青年の魂の動揺に寄り添い続けた女性牧師の手記。
なぜ罪を犯すのか、罪の償いとは何か......。困難な問いを問いつつ、死刑廃止を静かに訴える。
裁判員制度が始まり、わが国の司法制度が大きな転機に立っている今、一人でも多くの人に読んでほしい書。
加賀乙彦氏推薦
母の愛を知らず、劣悪な環境で育ち、ついに母子三人を殺した死刑囚の魂を、愛と信仰で救うために、養子にして彼の母となった人の手記である。死刑が残虐な刑罰である現実をまざまざと描いている。救いのない監獄に温かい人間の善意を注いだ、これは心なぐさめられる本である。
【著者について】
向井武子(むかい・たけこ)氏は、1938年8月、現在の滋賀県大津市に生まれる。幼少時、父母と共に旧満州に渡り、敗戦後帰国。日本基督教団堅田教会に通いながら、小学校3年生までこの湖の町で生活する。後、福井県敦賀市に転住。日本海に面した町で、日本基督教団敦賀教会に通いながら少年期・青年期を送る。
1954年、大澤徳則牧師により受洗する。
1961年、聖和大学(当時)卒業。
1961年、結婚(2男1女の母となる)。
1962年、日本基督教団キリスト教教育主事資格を得る。
1985年、日本基督教団の正教師となる。
1987年、前田伸二を養子とする。
*死刑制度を考えるための本
袴田巌『主よ、いつまでですか 無実の死刑囚・袴田巌獄中書簡』