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福音と世界 2010年3月号

福音と世界 2010年3月号:表紙

福音と世界 2010年3月号

  • 定価:600円
  • サイズ:A5判 80ページ
  • 月刊誌:1952年4月創刊
  • 年間予約(送料共):8,016円

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特集 三位一体とは何か――父・子・聖霊を問う

三位一体論争の変遷(抜粋)/蓮見和男

新約聖書における三位一体
 しかし、果たして三位一体は聖書の中にあるのでしょうか。確かに「三位一体」という用語はありません。けれども、マタイ福音書の最後に、「あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊の名によってバプテスマを施し」(二八・一九)とあり、「名」は原語のギリシア語で単数になっています。また?コリントの最後も、「主イエス・キリストの恵みと、神の愛と、聖霊の交わりが、あなたがた一同と共にあるように」で終わっています。さらに加えて、エペソ四・六、「すべてのものの上にあり、すべてのものを貫き、すべてのものの内にいます、すべてのものの父なる神は一つである」を考えてみましょう。「すべてのものの上なる神」は父を意味し、「すべてのものを貫き」を御子キリストを指し、「すべてのものの内にいます」を聖霊ととることができるでしょう。

三位一体という語の誕生
 実際に、三位一体の語が出てくるのは、テルトゥリアヌスが初めだと言われています。彼は神の唯一性を守り、一つの実体(substantia)と三つの位格(persona)と言い、統一における区別(区別されるが、区分されず)、分けられるが分離されない。そして神の一性(monas)に代わって、三位一体(trinitas)と表現しました。
 この稿を依頼してきた編集者は、西方教会では「聖霊の欠乏症」が見られると言っています。確かにニカイア信条の論争では、主としてキリスト論が問題で、聖霊は小さく取り扱われました。使徒信条では「われは聖霊を信ず」だけ、ニカイア信条でも同じです。ニカイア・コンスタンチノポリス信条で「父と子とより出で、父と子と共に礼拝せられる」聖霊となります。いわゆるフィリオクエ[ラテン語で「子とから」]の問題です。この聖霊について「子とから」が加わるのは、バルトなどは、聖霊神秘主義になる危険を「ロゴス・キリストから」とすることによって防ごうとしたとして、それを肯定します。モルトマンなど「フィリオクエ」に反対する人は、これは教会あるいは教職が「御言葉(ロゴス)」を預かるので、「教職・教会をとおして聖霊がくだる」という一種の教権主義だと批判します。東方神学は一貫して、このフィリオクエに反対してきました。
 

目次

特集
三位一体論争の変遷 / 蓮見和男 26
三位一体について思うこと、信じること / 岩島忠彦 32
正教会における三位一体 / 水口優明 38
三一神教としてのキリスト教 / 松見俊 43
聖霊の復権に向けて / 八木誠一 49
       *
北村慈郎牧師に「免職」戒規 / 編集部 54
       *
不定期連載 アメリカの政治と宗教
オバマ大統領のノーベル平和賞受賞演説と神学者スタンリー・ハワーワス / 東方敬信 56

連載
メッセージ 聖書の中の彼女たち3 食卓から落ちるパン屑 / 渡邊さゆり 2
時のしるし3 女性たちのまなざし / 絹川久子 6
明治キリスト教の周辺20 吉野作造の古本道楽 / 太田愛人 8
ドストエフスキイと十人の日本人10 ドストエフスキイと芭蕉 / 芦川進一 10
神学の履歴書19 神学者カール・バルトを知るための手引き② / 佐藤 優 14
交響する啓典の民3 名づけること、振り返ること / 伊東乾 20
韓国からの声3 韓国のキリスト者から日本のキリスト者へ / 李 致萬 60
カール・バルト対話集25 プロテスタント出版関係者たちとの対話 6 / 宇野元 訳 62
出版社の神学3 オイゲン・ディートリヒスとその出版社② / 深井智朗 66
聖なる空間を訪ねて31 ケルン大聖堂 / 田淵 諭 72
新約釈義 使徒行伝56 18章18―22節 / 荒井 献 79
表紙の美術作品について / 竹内 一 80

福音と世界

福音と世界 2010年3月号:表紙

毎月10日発売。1952年4月創刊以来、半世紀以上にわたり教会と神学の問題を特集形式で論じてきた月刊誌。

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